top of page

【イベント開催レポート】失敗を語れる組織へ ~ 宇宙開発の失敗から学ぶ対話ワークショップ ~

13 時間前
読了時間: 4分



2026年7月31日(金)、住友商事株式会社が東京・大手町にて運営を行うオープンイノベーション施設「MIRAI LAB PALETTE」にて、宇宙開発の失敗事例を題材とした対話ワークショップイベントを開催しました。


本イベントは、宇宙開発の中で培われてきた「失敗から学ぶ」ための文化と仕組みづくりを事業として展開し、2026年4月に創業した合同会社失敗塾の主催により開催を行いました。多くの組織で「失敗から学ぼう」と語られながら、実際には失敗を率直に共有することが難しいという課題に対し、失敗を次の挑戦につなげる資産として扱ってきた宇宙開発の現場の知見を持ち込む試みとして、講演とグループワークを組み合わせたプログラムが展開されました。



月面着陸機SLIMのトラブルから何が学べるか


富永 晃司 氏による宇宙開発における失敗事例の講演の様子
富永 晃司 氏による宇宙開発における失敗事例の講演の様子

イベント前半では、合同会社失敗塾の共同創業者であり、研究開発に取り組む富永 晃司 氏より、失敗事例の講演をいただきました。


題材となったのは、2024年に日本初の月面着陸を果たした小型月着陸実証機SLIMです。

従来の月着陸では数キロメートルから数十キロメートルとされてきた着陸地点の誤差を、100メートル以内に収めることを目指したミッションでしたが、着陸直前の高度50メートル付近でエンジン1基を失い、機体は想定と異なる姿勢で着地しました。


「これは成功だったのか、失敗だったのか」


富永氏が会場に問いかけると、参加者の挙手は二つに割れました。富永氏は、目標達成度と学びの量という二つの軸を用いて、その両方の要素を含むミッションをどう評価しうるかを提示しました。


続いて語られたのは、原因究明を担った一人の研究者としての経験でした。


  • 「その研究、意味があるのか」と問われ続けながら3年以上続けてきた基礎研究が、月面で起きた異常の解明につながったこと

  • 一人でデータに向き合っていたところから、分野を横断し助けを求めたことが突破口になったこと

  • データも失敗の経験も、それを読み解ける人と結びついて初めて価値になること


華々しい解決譚ではなく、行き詰まりと迷いを含めて語られた内容に、会場は静かに聞き入っていました。



「自社の組織に、相談しやすい空気はありますか」


グループワークの様子
グループワークの様子

イベント後半では、講演内容を踏まえた対話式でのグループワークを実施しました。参加者は6つのチームに分かれ、2つの問いに30分間取り組みました。


  • 課題1:「役に立つの?」と言われた研究が、思い描けない形で役立った。あなたにも、そんな種はないだろうか?

  • 課題2:あなたの組織に、相談しやすい空気はあるだろうか?


各チームからの発表では、同じ問いに対してまったく異なる切り口の整理が示されました。


課題1に取り組んだチームからは、オープンイノベーションへの社内の風当たりと、上司を巻き込みマイルストーンを刻むという対処法の提案や、普段関わりがない人と積極的に繋がることの必要性に関する議論がありました。


課題2に向き合ったチームからは、相談しにくさを恥ずかしさ・共感されにくさ・相手への遠慮などに分解して理解を深める方法や、「何かあったら言ってね」という上司の言葉が機能しない理由と、聞き方を変えるという小さな一歩の提案、さらに、相談を受ける側の姿勢にも課題があるのではないかという指摘も挙がり、参加者それぞれの職場の実感に根ざした議論が交わされました。



失敗を、組織の資産に変える仕組み


佐藤 光桜 氏による、失敗を組織の資産に変える仕組みの紹介の様子
佐藤 光桜 氏による、失敗を組織の資産に変える仕組みの紹介の様子

グループワーク後には、合同会社失敗塾 代表の佐藤 光桜 氏から「失敗を、組織の資産に変える仕組み」について紹介が行われました。


失敗から学べない理由を、「失敗を語れる文化が作れないという課題」と、「語れたとしても組織の資産にする仕組みが作れないという課題」の二つに整理したうえで、


上記課題を解決するための打開策として、個人の失敗体験を語り合う場から、対話を通じて言葉にし、教訓として蓄積・共有し、実践のなかで定着させていく、経営学のSECIモデルに基づくこの流れを、組織の中で回し続けられるようにする仕組みをご紹介いただきました。



まとめ


本イベントでは、宇宙開発という極限の現場で積み重ねられてきた「失敗から学ぶ」実践に触れながら、参加者自身の組織における失敗の語りにくさや相談のしにくさを、具体的な言葉に分解していく機会となりました。


MIRAI LAB PALETTEでは今後も、注目の集まるビジネストレンドについて学ぶ機会や、メンバー同士で交流をしながらビジネスのきっかけとなるようなイベントを開催してまいります。

CATEGORY

ARCHIVE

TAG

〒100-0004
東京都千代田区大手町1-6-1
大手町ビル 2階

open : 9:30 - 19:00

close : sat, sun, and holidays

FOLLOW US

  • MIRAI LAB PALETTEのFacebookページ

© 2018-2025 SUMITOMO CORPORATION.

bottom of page