メタバースゲームで国内ナンバーワン、新規事業を爆速成長させるためのMIRAI LAB PALETTEの活用戦略
- MIRAI LAB PALETTE 運営事務局

- 5 日前
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住友商事で新規事業としてゲーミングメタバース「Roblox」でのコンテンツ制作事業を手がける富田翔也。社内起業制度「0→1チャレンジ(ゼロワンチャレンジ)」から生まれた事業は、わずか2年で日本トップクラスの実績を築き上げています。
その成長の陰には、MIRAI LAB PALETTE(以下、PALETTE)の戦略的な活用がありました。企業マッチング、ウェビナー開催、商談スペースとしての活用など、多角的な活用方法について、富田とPALETTEコミュニティマネージャーの鎌北雛乃が語り合いました。
日本トップクラスのRobloxスタジオへ
——現在手がけている事業について教えてください。
富田:メタバースプラットフォームの中でも、特にゲーミングメタバースプラットフォームと呼ばれる「Roblox」において、ゲームコンテンツの制作を行う事業に取り組んでいます。スタジオ事業のような形で、主に自分たちでRoblox上にオリジナルコンテンツを作って収益化を目指すのと、そこで培った開発ノウハウを活かして、企業様がRobloxに参入される際の受託制作を行っています。
「Omochi Studio」という制作名で複数のコンテンツを公開していますが、今では総プレイ数が7〜8億回を超えるほど遊ばれるゲームを生み出すことができました。特に2023年10月にリリースした「ペタペタサマ」というホラーゲームは、それだけで4億回以上プレイされています。その他にも「トーキョークローマシン」など、ホラー以外のコンテンツもヒットしています。2年前に始めた時の目標は「日本で一番の実績を持つRobloxスタジオになる」ことでしたが、既に達成できている状況です。

今は世界一のスタジオを目指しています。世界のトップスタジオでは700億回以上遊ばれるようなゲームを生み出している事例もあり、私たちのコンテンツの同時接続者数が約1万人なのに対して、世界のトップゲームになると200万人になったり、瞬間最大風速では2000万人を越えるようなのゲームもあります。そういうレベルのコンテンツを作ることが次の目標です。
新規事業への挑戦とピボットの経緯
——そもそも、富田さんが新規事業に挑戦したきっかけは何だったのですか。
富田:私は元々、繊維事業部という部署にいました。中国やベトナムで子供服を作って日本企業に売るという、トラディショナルなトレーディングの仕事です。入社は2015年で、当時からキャラクターライセンスビジネスに興味を持っていました。メディア部隊がアニメ投資をしている一方で、私がいた部隊では大手テーマパーク向けにキャラクターグッズを作って売る仕事をしていて、そこにシナジーがあると考えていました。
その後、中国に駐在してテーマパーク向けのビジネスに関わらせて頂いたり、専門商社に出向してキャラクターを使ったライセンス商品の開発に関わったりして、キャラクター業界の末端に関わるようになりました。
その後、2021年に別部署に異動になったのですが、そのタイミングでキャラクターライセンスのマッチングプラットフォーム事業のアイデアで0→1チャレンジに応募しました。2021年7月頃に応募して、翌年1月に採択されました。
——当初の事業から現在のRoblox事業にピボットされた経緯を教えてください。
富田:キャラクターライセンスマッチングプラットフォーム事業を1年ほど検証しましたが、なかなか既存市場にニーズのあるサービスにはならず、スケールする絵も描けませんでした。ただ、キャラクターという軸足は置いていたので、日本のキャラクターIPをいかにマネタイズし、価値を最大化できるかを考えました。
そんな時、社内資料でRobloxを見つけました。日本のキャラクターやIPを使いたがっている会社だと思い、何とかアポイントを取って面談したところ、ビジネスの可能性を大いに感じる話ができました。
Robloxは日本ではほとんど知られていませんが、グローバルでは日間7,000万人以上のユーザーを抱える巨大プラットフォームです。今まではマッチングという仲介的な位置づけで仕事をしようとしていましたが、Roblox上でコンテンツを作る側にピボットしました。日本のIPを使ってゲームを作ってもいいし、Roblox上でゲームを作って人気にすれば、それ自体がライセンスになる可能性もあります。すごくいいチャンスだと考えました。
PALETTEとの出会いと活用の広がり
——PALETTEを活用し始めたのはいつからですか。
富田:0→1チャレンジの初期段階からです。最初はキャラクターライセンスマッチングプラットフォーム事業で採択されて、その頃からPALETTEのコミュニティマネージャーの鎌北さんに相談させていただいていました。最初はPALETTEの会員の中で、私たちの事業に興味を持ってくださった方や企業を紹介していただくという形で活用し始めました。
鎌北:PALETTEは2019年に立ち上がって、0→1チャレンジも同じタイミングで始まった制度でした。元々は経営企画部で管轄していて、0→1チャレンジ採択者の活動拠点はPALETTEという位置づけだったんです。
富田さんは本当にPALETTEの魅力や活用方法をたくさん考えて、フル活用してくださった方だと思います。常にアンテナを張られていて、熱量と器用さを兼ね備えている方です。
——当時、PALETTEを活用しようと思った理由は何でしたか。
富田:理由は明確でした。私たちがやろうとしていたのがエンタメに近い事業で、住友商事のメディア部隊や繊維・リテール部隊でキャラクターを使いたい企業には出会えていました。ただ、広告領域やプロモーション領域で働かれている企業とのコネクションがなかったんです。住友商事の中でも、キャラクターやエンタメ関連の人脈は個々人に分散していて、会社として網羅的につながっているわけではありませんでした。そこで気軽に紹介いただける場としてPALETTEの価値を感じていました。
3つの戦略的なPALETTE活用法
——現在はPALETTEをどのように活用されているのでしょうか。
富田:大きく3つの活用方法があります。
1つ目は、引き続き企業の紹介です。メタバース事業では企業の参入をサポートする受託制作もやっているので、広告やプロモーション目的でRobloxに参入したい企業を紹介していただいています。
2つ目は、ウェビナーの実施です。これまで2回開催させていただきました。それぞれ70社ほどの応募をいただいて、その中から10件近く商談希望のアンケートをいただきました。

そこでつながった広告代理店と、現在でも一緒に新しいお客様の開拓に行ったりしていますし、多国籍で事業を展開している大手のゲーム開発企業との商談にも繋がりました。Robloxに興味を持ってくださっている前提があるので、商談として結果が出るのが早く、効率的な取り組みができました。
3つ目は、商談場所としての活用です。実はこれが一番価値を感じている部分かもしれません。私がやっているのはゲーム事業なので、エンタメ色の強い方が多くいらっしゃいます。カチッとしたオフィスよりも、PALETTEのような空間で商談させていただくと、すごく喜んでいただけます。実際にRobloxの本社の方を呼んで商談したこともありました。
営業マンとして「ぜひPALETTEに来てください」と言いやすいのは大きなメリットとなっています。対面で会うことを重視している私にとって、お客様との接点を持ち続けたい時に、PALETTEという口実があるのはすごく有効に機能しています。次回の商談をどこでやるかという時に、PALETTEを提案できることには大きな意味があります。
鎌北:富田さんはPALETTEのソフト面の魅力、コミュニティというアセットの価値を感じていただきながらも、営業マンとしてどう活用するかというバランスを持った視点でPALETTEを見てくださっているので、当社社員のロールモデルだと感じています。PALETTEに来てもらうきっかけとして使うという発想にピンとくる人は意外と少ないんです。
営業部隊の方から「お客様をお連れして、そのあとの関係構築もPALETTEで一部協力してもらえることもあり、ありがたい」という声もいただいています。
クリエイターとの出会いと今後の展望
——富田さん率いるOmochi Studioの代表作「ペタペタサマ」の開発者とはどのように繋がったのですか。
富田:X(旧Twitter)でDMしました。2023年4月頃にRobloxを始めようと決めた時、Robloxでゲームを開発できる人がどこにいるかもよくわかりませんでした。Twitterで検索したら20人ぐらいしかいなかったのですが、その中で一番実績があったのが、100万回遊ばれたコンテンツを作った方でした。
地方在住の20代の方だったのですが、年齢からは想像もつかないほどしっかり話される方でした。そこで1回やってみようということでお願いしたら、幸運にも大ヒットしたというのが、これまでの経緯です。
クリエイターの確保は重要な課題なのですが、優秀なクリエイターを東京に呼ぶきっかけとしてもPALETTEを活用しています。地方在住のクリエイターを東京に呼ぶ際の目的地としても活用しています。
鎌北:富田さんの熱量とこだわりを感じるエピソードですよね。外注に丸投げするのではなく、自分でクリエイターを探して直接アプローチする。そういう姿勢が成功に繋がっているのだと思います。
——今後の展望について教えてください。
富田:世界一のRobloxスタジオを目指すとともに、Robloxの活用方法やキラーコンテンツ、企業としての上手い使い方を商品化したいと考えています。オリジナルコンテンツと受託制作の二本柱で、新しい世界を目指していきます。
PALETTEの活用については、ウェビナーで売る商品をブラッシュアップしながら継続していきたいと考えていますし、クリエイターが集まる場所にできればと考えています。Robloxのクリエイターが自然に集まる聖地のような場所にできたら素晴らしいと思っています。
鎌北:それは素晴らしいアイデアですね。実はミーティングルームの一つをクリエイターやアーティストの集まる部屋にする計画を温めているので、ぜひ一緒にやりましょう。
PALETTEを活用する社員へのメッセージ

——住友商事の他の社員の方に、PALETTEの活用についてアドバイスはありますか。
富田:お客様との関係を深めたかったら、PALETTEで商談するところから始めるとよいでしょう。絶対に後悔はしません。特に新規事業の方には、まずお客様との商談の場として使ってみることをお勧めします。
PALETTEはデザインにも妥協していませんし、本物の空間といえます。お客様を呼んできて満足いただける場所だという自信があります。自分たちの顔になってもよいぐらい立派な場所なので、お客様を呼べることには大きな価値があります。
また、いろいろとPALETTEにお世話になっているので、事業が成長することによって恩返ししたいという気持ちもあります。成功事例がない限り、人は絶対についてこない。成功事例になることが一番の貢献だと思います。本当に必要な時に頼るという関係で、これからもPALETTEを活用していきたいと思います。
鎌北:私たちとしても、PALETTEのコンセプトを体現しながらも、当社の各事業部門の営業にどう貢献できるかをずっと考え続けています。富田さんのように成功事例を作ることでPALETTEに恩返しするという考え方は、まさに理想の関係だと思います。
PALETTEは2019年の立ち上げから、新しいことに挑戦する人たちをサポートし続けてきました。コロナ禍を経て、たくさんの事例が生まれてきているので、情報発信も強化しています。富田さんのような活用事例を共有することで、もっと多くの社員の方にもPALETTEの価値を知っていただき、新規事業の成功につなげていただきたいと思っています。


