top of page

質の高いコミュニティとの交流が新規事業を加速する――「技術シーズお披露目会」



MIRAI LAB PALETTE(以下、PALETTE)は「あらゆる垣根を越えたコラボレーションを生み出す」ことを目指して運営しています。今回は、2025年2月7日に開催した「未来を創る技術シーズお披露目会(以下、お披露目会)」を紹介します。


多様性と共創の場としての「お披露目会」


お披露目会は、企業が持つ技術やアイデアの“種”を広く公開し、他社や他分野の方々からのフィードバックを得ながら新しい価値創出を目指す場です。


実はこの展示会の形は、とある自動車メーカーからのご相談をきっかけに始まりました。


「社内で素晴らしい技術を研究しているが、外部からの多様な意見を得られる場がない。もっと社会に生かしていきたいのに何か方法はないか?」


この声に応えるべく、私たちはPALETTEの強みである「多様性」を活かし、新しい技術を並べた小さな市場のような場をつくりました。それがお披露目会の原型です。当初は1社限定の展示会を継続してきましたが、今回は島津製作所、村田製作所、住友精密工業、住友電気工業、三菱電機の5社合同で開催。PALETTEの会員から来場者を募り、当日は大きなにぎわいとなりました。





合同開催にしたことで、参加者にとっては一度に複数企業とつながり、当日得られる情報量やネットワークが格段に増えます。出展企業間のコラボレーションが生まれやすいことも大きなポイントです。「あちらの技術とここが組み合わさったら面白そう!」という声が自然と出てくるのは、PALETTEだからこそ。互いに刺激を受け合い、技術の新しい活用法を見出す場になっています。


一方で、「都内近郊の巨大展示会に出展するにはコストがかかる」「社の方針で、目玉技術だけの出展になりがち」という声もよく聞かれます。


PALETTEのお披露目会なら、比較的クローズドかつアットホームな雰囲気。企業としては、まだ研究段階の“シーズ”を見せる余地があり、参加者からの率直なフィードバックを次の開発や事業検討に活かしやすい。これが企業にとって大きなメリットです。


出展企業インタビュー:三菱電機×村田製作所


ここからはお披露目会に参加した村田製作所の池田朋弘様と三菱電機の田嶋紗穂さんへのインタビューをお届けします。お披露目会を通じて得られたものや、PALETTEで開催するメリットについて伺いました。



村田製作所 技術・事業開発本部 池田朋弘さん(左)、三菱電機 事業推進部 田嶋紗穂さん(右)
村田製作所 技術・事業開発本部 池田朋弘さん(左)、三菱電機 事業推進部 田嶋紗穂さん(右)

お披露目会に出店した経緯と狙い


池田さん(村田製作所):弊社は、もともと「社外に開発中の技術を見せる」ことに抵抗感があり、外部へのPRや社外からフィードバック獲るといった場が少なかったんです。そこで2024年にPALETTEで、開発品のみの展示会を1社単独で開催しました。その際に一定の手応えが得られた一方で、単独開催になると弊社に関心の強い方が来場者の大半ということがわかりました。


そこで、より幅広い層の方々との接点を増やしたいと思い、今回の合同リバースピッチを選びました。複数社でやることで、参加者も各社の技術を一度に見られますし、出展者同士でも新しい出会いが生まれる。結果としてお互いに刺激が大きい場になったと実感しています」


田嶋さん(三菱電機):弊社は数年前からリバースピッチ形式のイベントに参加しています。社内には優れた技術シーズがたくさんあるのですが、社会実装するためのアイデアが社内だけでは見つからないといった課題がありました。


そういった背景から外部の多様な視点で開発を前に進められればと考え、リバースピッチを繰り返してきました。実際、それがきっかけで他社さんとのPoCや協議につながった事例もあり社内での反響は大きいですね。


お披露目会に参加してみて


池田さん:実際5社で合同開催したら、とても盛り上がりました。参加者の方からも「1回の来場で様々な技術を知れる」と喜ばれました。当社のブースにも、普段は出会えないコンサルティング業界の方や大企業の新規事業部の方々が来てくれました。その後の出展企業同士の交流会でも意見交換できて、出展企業同士で協業アイデアが出たのも大きな収穫でした。参加した社員からは「またぜひ出したい」との声が多く、次のテーマをすでに考えている部署もあります。


田嶋さん:5社それぞれが異なる強みを持っているので、全く別の技術目当てで来場した方から思いもよらないアイデアをいただくことがあります。偶発的な発見といいますか、「こんな使い道あるんだ」と技術者が驚く場面を目の当たりにしました。出展メンバーも「社外の本気度が高い人と直接話す機会は新鮮」と言っていて、参加者の質の高さを改めて感じています


大規模な展示会との違い


池田さん:ビックサイトや幕張メッセで開催されるような大規模展示会に出展すると、多くの人の目に触れるメリットはあります。一方で興味本位や物見遊山の来場者も増えがちで、真剣に新規事業を探している方がどれほどいるかという感覚があります。その点、PALETTEの展示会は「技術やアイデアの協業先を探したい」とか「新しいソリューションの可能性を探りたい」といった目的を持った方が多い印象です。実際に「次は一緒に何かできないか」と具体的に動き出す数が圧倒的に多いので、質の高いコミュニティがあることを実感しますね。


田嶋さん:大規模展示会はスケールが大きく、企業ブランドのPRに適しています。ただし、まだ研究段階の技術を大々的に出すにはハードルが高い部分もあるのも事実です。PALETTEだと比較的クローズドな雰囲気で、むしろ「これから事業化を検討中の技術」を自由に出しやすい点に魅力を感じています。


自社技術が抱える課題に対して、ピンポイントでアイデアを得られるし、場所が東京・大手町というのも大きいですね。企業の新規事業担当者やスタートアップ、コンサルタントの方々など、本気度の高い人たちが来やすい環境だと思います


今後について

池田さん:今後も定期的にPALETTEで展示会やリバースピッチイベントを開催して、開発のアーリーステージ段階からフィードバックを得たいと思います。アクセスも抜群なので、社内メンバーも「またぜひ出展したい」と盛り上がっています。特に商社ネットワークを活かした方々との出会いは、私たちにとって非常に魅力的です。


田嶋さん:弊社の場合もリバースピッチによる成功事例が出始めていて、社内ニーズが高まっています。開発段階の技術を外に向けて発信することで得られるアイデアや協業の可能性は、思っていた以上に大きいと感じています。PALETTEには「ここに行けば多様な企業と出会える」という価値があるので、今後もイベントを企画したいですね。





PALETTEだから実現できる出会い


大企業がまだ世に出していない技術をオープンに披露し、新規事業やコラボを探る場があることは、出展企業・来場者双方にとって大きなメリットだと改めて感じさせられました。


「スケール重視の大規模展示会」と「密度重視のPALETTEイベント」は、どちらも目的が異なりますが、今回のお披露目会では「アーリーステージの技術開発×多様な参加者」という組み合わせに大きな可能性が見えたのではないでしょうか。今後も技術やアイデアの活用法がさらに広がっていくことを、PALETTEとしても楽しみにしています。


また、今回のお披露目会のように多くの企業が集まる場は、「一社単独の検討では生まれにくいアイデア」を生み出す可能性を秘めています。今後も企業同士のコラボレーションや、優れた技術・アイデアとビジネスのマッチングを、さまざまな形で後押ししていきたいと考えています。



CATEGORY

ARCHIVE

TAG

〒100-0004
東京都千代田区大手町1-6-1
大手町ビル 2階

open : 9:30 - 19:00

close : sat, sun, and holidays

イノベーションラボ

FOLLOW US

  • MIRAI LAB PALETTEのFacebookページ

© 2018-2023 SUMITOMO CORPORATION.

bottom of page